ビジュアルノベル『アステリズム』(チュアブルソフト/2012年)の感想。18歳未満の方の閲覧はご遠慮下さい。

前から気になっていた2作品のうちの一つ。まあ読み物として期待しているのはこれだけですが。

孤児で養子として預けられた主人公が同居する義理のお姉さん 名月 に恋をする物語です。というと、なんだ年上(姉)モノかと思うのですが、実はそれだけに留まらないところがこの作品の面白いところ。内容はあの震災の翌年の作品とあって、(架空の世界の)震災と絡めたストーリーになっています。

最初の章は、養子として世話になっている家のお姉さん(主人公の学校の教師でもある)という関係から恋人の関係に変わっていくまでの、およそ普通(?)ないちゃラブストーリーです。お姉さん萌えの期待に応えるシーンが詰まっています。

で、ここからが問題。

次の章では、ある理由からタイムマシンで一時的に過去の時間に戻り、そこで学生時代の名月と出会い、一緒に過ごすことになる。しかし、その時代ではまだ名月とは関わりがないはずなのに、既に顔が知られているようで、さらには好感度もMAX。元の時代に戻る必要があることを理解しつつも、名月の猛烈なアタックを受けて、主人公も次第にその時代の名月に恋してしまう。

まあ端折って言ってしまえば、小さなお姉ちゃんと恋ができてしまうということ。これがただの年上モノではないゆえん。ところがまだ続きがある。

恋が実ってあまり経たないうちに、元いた時間である未来に戻ることに。その時代の名月と再会の誓いをして未来へ戻ると、そこには何ともう一人の自分が名月に恋心を打ち明けていた。過去にタイムスリップしたことで起きた問題に直面することになります。

時間移動と分裂する平行世界

作中では過去に戻ることができるタイムマシンが登場するのですが、過去に戻る場合には当然タイムパラドックスが発生します。そこでここでは平行世界(パラレルワールド)の概念が取り込まれています。

それを説明した流れ図が作中に出てくるのですが、よくわからない。納得いかなかったのでノートに時系列で出来事を書いていって、数時間掛けてようやく理解できました。

まず、1章と2章の主人公 白雲(つくも)は同一人物だが、3章の”つくも”(バンダナ兄)はそれとは別人。一見すると3章プロローグが2章の続きのようだが、そうではない。これが分かっていないと先を理解できません。まあ、そう仮定しないと出てくる話が矛盾だらけなので、分かると思いますが。

1~2章の話は3章から繋がっている。3章のプロローグ(C1)で音々を救えなかった博士はバンダナ兄に初めて会い、名月を取り戻すという彼を1999年(C2)に送る。C2の時点で名月にとっては”つくも”とは初対面。バンダナ兄は名月を後の死因となる怪我から救って現代へ帰り、音々を救うためにさらに過去の1996年(C3)へ戻る。C2の名月と白雲がその後どうなったかは分からず終い。

C3でバンダナ兄は音々・博士・名月を救った後、震災に巻き込まれて亡くなる。その世界線の名月は震災を乗り越えた後、C1と同様に怪我を負い、その世界で生まれた白雲が名月を救うために1999年(C4)に戻るという、1章~2章の話に続く。なので、1章の時点では名月は1996年のバンダナ兄(C1)にしか会っていない。エピローグに出てくるつくもはC3とC4の世界線で生まれた二人の白雲の合成。C4の名月は1996年にバンダナ兄(C1)、1999年に九十九(C3)と会っている。C4の博士は少なくともC1とC3のつくも、さらに別のB1のつくもに会っていて、タイムスリップで分岐する前の世界から来た唯一の人物。なんか、タイムスリップ×タイムスリップでややこしくなるなぁ。やめよう。

感想

姉モノだと言うことで買ったら、良い意味で期待を裏切ってくれました。大人な名月、一途な名月、元気な名月。設定資料にもあるように、まさにいいとこ取りで、このヒロインのかわいさは反則的すぎる。いちゃラブに対して今までで最も共感・没入できた作品でした。

1章だけでも一つの作品として成立しそうだけども、そこから2章、3章への展開は全く予想が付きませんでした。色んな伏線に対して予想を膨らませるも、明快な答えが出ないことに悶々としていました。一通りプレイした後も理解が追いつかず、上のように整理して初めて納得。とても面白かったです。

沼淵との対峙はちょっとくどかったかな。因縁のライバルといえばBTFもそうだった。もろに影響を受けていますね。

CGは、2012年の基準というのがよくわかりませんが、良かな。飛び抜けて「これはすごい」とか「変わっている」というものはありませんが、どのシーンも名月が美しく・可愛く・丁寧に描かれていて良かった。

シナリオとCGのコンビネーションが非常に良かったです。だって、シナリオで読む名月が可愛い。CGの名月は可愛い・美しい。それはここぞの場面で同時に来られたら、それはたまらないわけです。先月の発言は撤回しないといけませんね。読み物だって悪くない。

作中で明言されていないこと

別世界の博士はどこに居るのか

博士は何度も過去へタイムスリップしているが、過去の博士自身と会ったという話は出てこない。”つくも”がその世界の白雲と出会っている話は出てくるのに。繰り返し同じ過去の地点へ飛んだから~、の話はここに繋がる?

名月は処女じゃなかった! ←誤り

1章、2章に出てくる名月は処女じゃない。1章や2章で名月は過去につくもに会ったというが、その話が3章にあたるとすると、そういうことになるんだよねー。だがかわいいから許す!

Hシーンをすっ飛ばしたか夜更かしで寝ぼけていたのか。3章のHシーンを見直したところ、ここでは”初めて”は保っていることになりますね。となると、忘れがちだけどもC2のつくもがますます可哀想だ。

九厘は○○だった!

設定資料集でもシナリオライターの話の中で触れられているけど、それと3章の話と合わせれば、そういうことで間違いないのだろう。となると、2章の九厘も△△じゃなかったことになるのか。この場合、事情が違うから意味合いは変わってくるけど。つまり九厘ルートというのは。。。いや、伏せておこう。


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