Image: Lucid Virtuの省電力効果とパフォーマンスへの影響

使っているマザーボードでLucid Virtuという機能があることは知っていましたが、それがどのように動作するのか、使うとどんなメリットがあるのか詳しいことは知らなかったので、試しに使ってみようと思います。

テストに使用したPCパーツ・ドライバ・ソフトウェア

  • CPU: Intel Core i3-2100 定格動作
  • マザーボード: Asustek P8Z68-M Pro
  • グラフィックボード: ELSA GLADIAC GTX 560 Ti mini
  • 電源: 玄人志向 KRPW-G530W/90+
  • 電力計: サンワサプライ TAP-TST7 ワットチェッカーPlus
  • OS: Microsoft Windows 7 Professional SP1 64bit
  • ドライバ: Intel Graphics Accelerator Driver V8.15.10.2598
  • ドライバ: GeForce R300 Driver Version 301.42
  • ユーティリティ: Lucid Virtu V1.2.105.17711
  • ベンチマークソフト: Unigine Heaven DX11 Benchmark 2.5
  • ベンチマークソフト: CAPCOM MHFベンチマーク 第3弾 大討伐
  • ゲーム: EFFY one of unreasonable "if" (RaidersSphere Engine)

○Lucid Virtu(i-mode)を使用するための準備

1. マザーボード側の設定を行う。

P8Z68-M Proの場合、UEFI BIOS設定画面からAdvanced Modeに入って、Advanced→System Agent Configuration→Graphics Configurationを開く。
Primary DisplayをiGPUに、iGPU Multi-MonitorをEnabledに設定する。
設定を保存したら、ディスプレイケーブルはマザーボードの出力端子(Intel HD Graphics側)に接続する。
ASUS UEFI BIOS Utility

2. 各グラフィックアダプターのデバイスドライバをインストールする。

今回のPCパーツ構成の場合はIntel HD Graphics 2000とGeforce GTX 560 Tiのドライバをインストールします。

3. Lucid Virtu Softwareをインストールする。

マザーボードメーカーまたはLucidlogixのサイトからLucid Virtu Softwareをインストールします。

○Lucid Virtuを有効にする

Lucid Virtu(i-mode)では通常はCPU内蔵グラフィック(Intel HD Graphics)で動作します。Virtuであらかじめ指定したアプリケーションが起動し、かつDirectXが動作している場合のみグラフィックボードで画像処理演算を行います。

Virtuを有効にするには上記の手順を実行して準備を整えた上で、Virtu Control Panelを開いて「Off」と表示された丸いボタンをクリックします。すると「On」の表示に変わります。この状態でアプリケーション(ゲーム)を起動すると、グラフィックボードによる処理に切り替わります。
Virtu Control Panel - Main

Virtu が有効になるとそのアプリケーションの画面端にVirtuのロゴが表示されます。これについてはVirtu Control Panelで常時表示するか、数秒間表示して隠すか、常に表示しないかを設定できます。有名なソフトはリストに最初から追加してあるため、何も設定してい なくてもVirtuが有効になりますが、一部のソフトは実行前にVirtu Control Panelのリストに実行プログラムのファイル名を追加しておく必要があります。
Virtu Control Panel - Application

○パフォーマンスは維持できるのか

下はIntel HD Graphicsを優先にしてVirtuを有効にしたときのUnigine Heaven DX11(1280x960)のスクリーンショットです。
このシーンは負荷が重いためFPSが45になっていますが、これはGPU優先にしていたときと変わっていません。パフォーマンスの低下は感じられませんでした。ちなみに同じシーンでIntel HD GraphicsだとFPSが10未満になリます。
Unigine Heaven Virtu有効時

MHFベンチマーク 大討伐(1280x720) : Virtu無効=CPU内蔵グラフィックによる描画
Monster Hunter Benchmark 3

Virtu有効=グラフィックボードによる描画
Monster Hunter Benchmark 3
スコアの差は歴然です。
まだそれほど長く使っていないので安定性はどれほどあるのかわかりませんが、現時点ではJITコンパイラエラーでVirtu Control Panelが強制終了することが1回ありました。その他はこれといった問題は起きていません。

○どれくらいの省電力効果があるのか

アイドル時(無負荷時)、動画小(480p)再生時、動画大(720p)再生時、Unigine Heaven DX11ベンチマーク実行時(高負荷時)で消費電力をワットチェッカーを使って調べてみました。数字は測定中の最大値です。ちなみにVirtu d-modeはVirtu適用前と同じ結果だったため省略しています。

- GPU優先、Virtu無効 CPU優先、Virtu(i-mode)有効
無負荷時 64W(GPU処理) 63W(CPU処理)
動画小再生時 72W(GPU処理) 66W(CPU処理)
動画大再生時 118W(GPU処理) 72W(CPU処理)
高負荷時 210W(GPU処理) 212W(GPU処理)

無負荷時と高負荷時はほぼ同じ結果になりました。動画再生中ではVirtu有効時で省電力効果が若干見られます。これは動画のサイズが大きくにつれて差も大きくなる傾向があるようです。動画再生処理ではCPU内蔵グラフィックよりもグラフィックボードの方が消費電力が大きくなるようです。
つまり動画再生においてVirtuによる省電力効果が大きく発揮されるということになります。

○同人ゲームやフリーソフトのゲームでも使えるのか

Virtu Control Panelのリストに実行プログラムのファイル名を追加すれば問題なくグラフィックボードで処理が行われます。ただしDirectX 8以前の古いゲームではVirtuは有効になりません。もっとも、その世代のゲームならIntel HD Graphicsで十分動くでしょう。Windows 7だと処理落ち云々以前の互換性の問題が起こりそうですが。

EFFY(1280x768) : CPU優先&Virtu無効時 (24FPS)
EFFY Virtu無効時

CPU優先&Virtu有効時 (60FPS)
EFFY Virtu有効時


旧ブログでのコメント

AUTHOR: 東
URL:
DATE: 2012/11/24 16:48:32
Virtu対応
はじめまして、突然お邪魔してすみません。
VirtuMVPとMHFについて気になっている者です。

ベンチスコアをブログ等に掲載してくれている方は多数いるのですが、実際にプレイできた人を知りません。
唯一プレイしようとした方の記事を読みましたが、
nProでエラーになってどうにもならなかったようです。

結果次第ではCPUとマザー購入をやめるかもなので、
もしMHFをプレイされるのであれば是非テストして頂けないでしょうか?

AUTHOR: akm
URL:
DATE: 2012/11/24 20:27:47
Re: Virtu対応
私はAsrock ZH77 Pro3(Virtu非対応)に切り替えてしまったので、残念ながら今はVirtuの動作確認はできません。
お力になれなくて、ごめんなさい。

こんな記事を作っておきながらですが、私は途中でVirtuを使うのをやめました。
理由は、
・日本語が含まれたファイル名の実行ファイルを一覧に追加すると、Virtu設定ツールが異常終了する。
・とあるゲームで表示解像度を選択できなくなる。
・Windowsの画面切替の描画がわずかに遅くなる。
・たまにゲーム起動・終了時にVirtu設定ツールがエラーを吐く。

日本語文字の不具合は、Virtuの更新履歴を読むと改善されているようです。
Windowsの画面切替が遅くなるのは、ヘビーユーザーでないとわからない違いですけど、
Windowsフォトビューアで次の写真に表示を切り替えるときのタイムラグが気になります。
これはVirtuの問題と言うよりCPU内蔵グラフィックとグラボの性能の差ですが。
ブルースクリーンになったことはありませんが、ゲーム中にエラーで終了したことは何回かあります。

公式で対応しているのは↓に書かれたソフトウェアだけなので、動作は期待しないほうがいいと思います。
http://www.lucidlogix.com/download/VirtuMVP_Release_notes2-1-115_Aug_03_2012.pdf

AUTHOR: 東
URL:
DATE: 2012/11/26 10:34:10
Virtuの不安
コメントありがとうございます。
非対応という事はH77ですね?(ZHは誤字?)

テストできないのは仕方ありませんね。
むしろ、Virtuをやめた理由からその方が良かったとも思えます。
そしてとても参考になります!

変態と呼ばれるASRockならではの機能が面白そうで手を出そうと思っていましたが、
自分の様な素人にはとても怖いものに見えてきたので、
もう少し時間をかけて調べていこうと思います。

あやうく人柱にさせてしまうところだったと思うと申し訳ない気持ちが強いですが、
本当にありがとうございました。

AUTHOR: Unknown
URL:
DATE: 2013/01/27 12:12:30
Unknown
ZH77ややこっしいですよね
表記はあってますよ
H77ですね

AUTHOR: akm
URL:
DATE: 2013/01/27 22:52:14
フォローありがとうございます
わざわざフォローありがとうございます。
一応誤解が起きないように補足しておくと、H77マザーにもVirtuに対応している製品はあります。

AUTHOR: 野見山太
URL:
DATE: 2013/11/18 22:59:34
エンコードでCuda使用した場合
初めまして
今はVGAは積んでいませんがエンコードのために
積もうと思っています。

フィルター処理をCudaで処理させようと思っているんですが
その時も、変換時のみ消費電力が上がるという認識でいいのでしょうか。

AUTHOR: akm
URL:
DATE: 2013/11/19 00:33:29
Re: エンコードでCuda使用した場合
その認識でいいと思います。動画再生や3Dゲームを起動したときと同様、アイドル状態からフル稼働状態に移行するわけですから、処理中は消費電力も上がります。

私自身はRadeonに移行して久しいのと動画エンコードに興味がないので詳しくないのですが、一般にCUDAはIntel QSVと比べて画質・性能が劣るといわれていることについてご存じですか。
動画エンコードのためだけにGPUに多大な投資をするつもりでしたら、CPUのアップグレードを検討することをおすすめします。
http://hothardware.com/Reviews/Intel-Core-i74770K-Review-Haswell-Has-Landed/?page=17


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