Image: IBM PS/55 モデル5550-T(5551-T09) 始動

1988年に発売されたパソコン IBM PS/55 モデル5550-T(5551-T09)をいじくり回す。今回はハードウェアのチェックとDOS/Vを起動するところまで。

PCマニアの私としてはPC98の次に使ってみたいと思っていたPS/55を中古で入手することができました。販売者の情報によると「電源は入るが画面が映らない。付属品はない。」という、何とも厳しい状況。

入手した機体は内部にほこりがたまっていることが外からでも分かる状態だったので、電源を入れる前に掃除することにしました。さすがに掃除前の状態は見るに堪えないので、写真はある程度掃除後に撮ったものです。

Image: IBM PS/55 5551-T09 内部

内部を見ただけでちょっとお高そうな作りだとわかります。システムボードと電源ユニット以外のパーツは全てドライバー要らずで取り外せます。内部接続のコネクターはMCAだのDBAだの全てカードエッジで独自規格てんこ盛り。と言っても、仕様はマニュアルで公開されていたので、それを互換機メーカーが採用しなかったからスタンダードに成り得なかっただけのことです。VGA、PS/2キーボード/マウス端子は今だに現行PCで搭載されているものがありますし。

左奥に見えるのは「ディスプレイ・アダプターⅡ」というPS/55独自の画面モードを持つビデオカードです。システム始動時(英語モード)ではシステムボード上のVGAの信号がそのままカード上のVGA端子にスルー出力されます。JDOSの日本語モードを起動すると、24ドットフォントで日本語文字を表示できるキャラクタモードに切り替わります。画面解像度は1024x768ドットですが、現在一般的に「XGA」と呼ばれている画面モードとは信号タイミングが異なります。

掃除が済んだのでマシンの電源を入れてみます。ハードディスクがモーター音をあげて、画面にPC98のように「xxx KB OK」という文字でメモリカウントが表示され、ひとまずホッと一息。

安心したのもつかの間、こんなものが表示されました。

Image: IBM PS/55 エラー

「301」「165」という数字とOKに対して×マーク。故障表示?その横のイラストはIBMのサポートデスクに連絡しろということなのだろうか。

まず、エラーコードの意味はこちらにPS/2用の物ですが一覧が載っています。

IBM Diagnostic Error Codes - BIOS Central

これによれば、301=キーボードが正常に応答しない、165=PS/2アダプターIDが一致しない、とのこと。なるほど。キーボードは接続していなかったのでいいとして、「PS/2アダプターIDが一致しない」とはどういうことか。ここで、下調べを綿密にしていた私は、リファレンスディスケットが必要なのだろうと気付きます。それを踏まえると、先ほどのIBMのマークはマニュアルを参照せよということなのでしょうね。わかるかいッ。

(今やPS/55に関する情報が他にないので、念のために補足しますと、PS/55というマシンはハードウェア構成に何か変更を加えると、リファレンスディスケットで構成情報(俗に言うCMOS)を再設定しなければいけません。MCAバスの拡張アダプターには製品ごとにIDが割り当てられていて、それを増設または取り外すと、CMOSの設定と一致しないということで、構成情報の再設定が必要になるわけです。)

リファレンスディスケットは某PS/55マニアの方のサイトからダウンロード入手できましたが、現在は日本語ページは閉鎖しているようです。貴重な情報が一杯あっただけに残念。こうして古い情報は消えていくのか。

FDDもまともに動くのだろうか。マシンをリセットしてリファレンスディスケットをセット。メモリカウント後、FDDがガーッガーッという音を上げてビックリしたものの、ちゃんと読み込んでいるようでひと安心。

Image: IBM Personal System/55 Reference Diskette

使用したリファレンスディスケットはDOS/Vベースのものなので、VGAの画面モードで日本語が表示できています。(私が見逃しただけだと思いますが、構成情報の再設定時にはこの画面に至る前にそのメッセージが表示されます。)

Image: Reference Diskette Main Menu

「技術情報の表示」を選んでみます。

Image: Reference Diskette 技術情報の表示

BIOSの日付が89年4月4日。古いッ!「モデルF8、サブモデル7、改訂レベル4」というのは、5550-S/T/V技術解説書によれば「ステージⅡ 5551-T09/T0A/T0B用システム・ボード」を意味するようです。ステージⅡというからにはステージⅠもあり、ステージⅠのシステム・ボードはMCAバスの不具合で無償交換の対象になったようですが、解説書に記述がなく詳細はわかりません。(噂では、バスマスタリングの不具合でIBM純正SCSIアダプターや一部のサードパーティ製アダプターが正常に動作しないとのこと。)ひとまず、バグ有マシンでなくて再度一安心。

「装置の構成情報」を選んでみます。

Image: Reference Diskette 装置の構成情報

システムメモリは2MB。DOS環境ならこれで困ることはあまりないでしょうが、OS/2を動かすには不足しています。ちなみにCPUはIntel 80386DX 20MHzで、こちらも初期構成のまま。

Image: Reference Diskette 装置の構成情報

ハードディスクを認識しているだと!?まさか、27年前のハードディスクがまだ生きているというのか。

メニューをいろいろ探ってみても特に変化が起きそうにないので、リセットしてみました。

Image: PS/55 BIOS-102エラー

今度はテキストのみでエラー「BIOS-102 Higher version of DOS is required - Unknown/Missing Keyboard.」。106キーボード(Majestouch 2)を繋いでいるのがまずいらしい。USキーボード(Majestouch NINJA)も同じく。106キーボードと5576-A01はKeyboard IDが同じなので、この場合5576-001/002/003しか受け付けないのかも知れません。

手持ちのDOS J5.02/Vのフロッピーを入れてみた。あっさり起動。

Image: DOS J5.02D/V

FD(ファイルビューワ)でCドライブに普通にアクセスできました。DOS J5.0(/VがないJDOSの方)がインストールされているようです。全容量は30MBw

Image: FD 3.10

最後に、診断用ディスケットでテストプログラムを走らせてみました。「ESDIハード・ディスク」とか「表示装置アダプター」とか古めかしい用語が。

Image: ps/55 診断用ディスケット

まさかのテストプログラムも無事に完走!ただ、表示装置アダプターのテスト時だけディスプレイがOut of rangeとなり、画面が映りませんでした。ディスプレイ側に要求される画面モードが対応していないのが原因でしょう。とりあえず、本体が正常であることを確認できたところで今日の作業は終了。

入手したマシンは初期の構成のままで奇跡的にも完動品。ESDI-HDが動くとは思っていなかったので、あらかじめ用意したSCSI-CFアダプターの使い所がなくなっちゃった。でもまあいいか。今年の運はこれで使い果たしたかもしれません。

ただ、このマシンは遊び幅が狭い。ハードウェアは実質独自規格の塊のようなものだし、ソフトウェアもJDOS対応のものは入手困難。DOSゲームをしようにもMCAバスに対応するサウンドカードは激レア。MCAバス用のSound Blasterがあるはずなんだけど、全然見ないなあ。

後日、キーボードとCRTディスプレイが揃ったので、J-DOSを起動してみました。

IBM DOS J4.0 J-DOS始動 (PS/55)


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